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森林計測,成長予測,機能評価,持続可能な森林経営
森林計画学会
Japan Society of Forest Planning

2024年 各賞受賞者の紹介

森林計画学賞

宮本 麻子(みやもと あさこ)氏
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
受賞業績: Miyamoto et al. (2021) Assessment of wood provisioning in protected subtropical forest areas for sustainable management beyond the zone. Journal of Environmental Management 287:12337.
https://doi.org/10.1016/j.jenvman.2021.112337


表彰理由:
授賞業績はやんばる国立公園を対象として、航空機LiDAR データ、森林簿および林道網等の解析によって森林蓄積量と許容伐採量を推定し、過去の攪乱履歴を明らかにした。その結果、同国立公園のバッファーゾーンには過去の伐採地が多く含まれていること、高蓄積の老齢林はコアエリアゾーンからバッファーゾーンへと連続して現存していること、ゾーニング指定後も地域で従来と同じ程度の木材生産が可能であることなどを明らかにした。本業績は、航空機LiDARをはじめ空間解像度の高い地理情報から森林計画に必要な情報を引き出したうえで、コアエリアゾーンの緩衝帯としての老齢林の重要性、ゾーンの違いを超えて連続性を考慮した地域全体での管理の必要性など、地域の合意形成や持続的森林管理に資する多くの重要な指摘を行った点が高く評価される。以上のように学術上とくに価値が高いと認められる業績を挙げた会員であるため、森林計画学賞に表彰した。



(黒岩菊郎記念研究奨励賞 なし)


南雲秀次郎記念学生奨励賞

小澤 瑞樹(おざわ みずき)氏
近畿大学大学院 農学研究科 環境管理学専攻
受賞業績: 小澤瑞樹・井上昭夫(2023)スギ同齢単純林における林木の直径成長パターンと空間分布との関係. 森林計画学会誌 57(1): 3-13
https://doi.org/10.20659/jjfp.57.1_3


表彰理由:
授賞業績は単木の直径成長経過に成長関数をあてはめ、その成長関数のパラメータと伐採時のサイズによって立木を4つのクラスに分類したうえ、それぞれの空間分布を比較検討したものである。その結果、早生の大径木が一様分布するのに対して、晩生の大径木と小径木は集中分布することなどを定量的に示した。過去の成長パターン、現在のサイズおよび空間分布の3つを同時に解析した点に独自性があり、今後の単木レベルの成長モデル研究に新たな視点を提供したものと評価される。以上のように優れた業績を森林計画学会誌に発表した学生会員であるため、南雲秀次郎記念学生奨励賞に表彰した。

なお、所属等の受賞者情報は受賞時点のものです。

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